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木造牛頭天王像

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種別:彫刻

所有者:八坂神社

所在:南日裏

牛頭天王はインド祇園精舎の守護神で、日本では新道と習合し素盞嗚尊と同一視され、京都・八坂神社の祭神(御霊神)として知られる。本村の八坂神社に伝来する二体の牛頭天王像のうち、本像は、牛にまたがる。本体を一木造とする構造や、体躰と衣部の簡素な表現は多くの神像彫刻に共通するもので、牛頭天王の像容は、二臂または他面多臂の忿怒の武装形で表わされることが多いが、本像は三面六臂六足で牛にまたがる大威徳明王に近い姿で表わされる。焔髪を逆立て両目を見開き開口する忿怒相ですが表現は温和で、総じて彫は浅く、製作は平安時代後期とみられる。遺例の中でも牛にまたがる姿に表すものは、大阪・志紀長吉神社の曼荼羅があるのみで、図像的にも珍しい、平安後期に遡る遺品として注目される。
 牛頭天王像は全国的にも少なく、県内の作例は彫刻では、大和郡山市・光堂寺像、奈良市・唐招提寺像(ともに平安時代)、絵画ではわずかに春日大社摂社水谷社伝来の衝立に描かれた曼荼羅(平安時代)が知られるである。
 八坂神社の創立については明らかではないが、その立場から川向の天河辨財天社との関係が想定される。江戸時代には、牛頭天王社として天河辨財天社の末社であったことが確認できる。